奈良旅館おでかけ歴史旅行

奈良の歴史をナビゲート!奈良旅行のしおりにどうぞ。奈良県桜井市三輪『料理旅館大正楼』

天理参考館の甕棺・Burial jar

奈良県天理市にある天理参考館

世界中から集められた美術品や考古資料が展示されています。やや煩雑にも見えるコレクションですが、それ故に見所は満載です。

天理参考館に展示される甕館(かめかん)。

乳幼児の埋葬によく利用されたそうです。1個の甕に蓋をする単棺、2個の甕を開口部で合わせた合口棺タイプに分かれます。天理参考館の展示品は合口棺タイプでしょうか。

甕棺の内部の様子がイラストで描かれています。

身体を屈めていますね。甕棺の中の遺体は屈葬にされるのが慣わしです。屈葬の理由は様々に語られますが、やはりご遺体の魂を閉じ込める意味合いがあったのではないでしょうか。甕棺の中に封じ込める。二度と出てこないように封印する意図があったものと思われます。

甕棺の解説文。

甕棺(かめかん)Burial jar
弥生時代中期 福岡県春日市小倉

大型の甕を棺にすることは縄文時代から各地で行われたが、弥生時代の北九州地方ではとりわけ盛んであり、埋葬専用の甕が発達した全盛期の弥生時代中期には大型化し、高さ1m以上のものも作られた。展示品もその頃のものである。甕を埋める時には、縦向きに穴を掘り、ある程度の深さで方向を変えて横向きに掘り、そこに甕の底を差し込んで安定させた後、遺体を納め、蓋をして土をかぶせた。遺体は、頭から納める場合と足から納める場合があった。展示では甕より上の土を取り除いた状況を再現している。

弥生時代の北九州地方に多かったのですね。

案内文にもあるように、確かに奥まった所に埋葬されているのが分かります。

ガラスケースの中にも様々な展示品が!

天理参考館は天理大学附属のミュージアムです。ワールドワイドな展示品目当てに、県外からも多くの観光客が詰め掛けます。

天理教の布教活動には、諸外国の生活習慣や歴史などを知る必要があります。そこで、天理教二代真柱(しんばしら)の中山正善(しょうぜん)氏によって昭和5年(1930)に創設されました。

甕棺の英語翻訳が興味深いですね。

Burial jar・・・burial は埋葬を意味しますが、広口の瓶や壺を表す jar が使われています。

甕棺は天理参考館3階の「世界の考古美術」コーナーに展示されていました。日本をはじめ、朝鮮半島、中国、オリエント、布留遺跡の考古美術品が所狭しと並んでいます。歴史好きの方には是非おすすめしたいミュージアムです。

<甕棺墓の関連情報>