大神神社 三輪山
三輪山の中に散在する磐座に神様が降りて来られる・・・そんな古代の信仰を、そのままの形で今に継承する古式ゆかしい神社です。
大神神社には本殿が存在しません。
拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して、ご神体の三輪山を崇拝する形式です。
大神神社の拝殿。
重要文化財に指定されている重厚な造りの建物です。
大神神社を紹介する旅行雑誌の記事には、必ずといっていいほどこの拝殿の写真が掲載されています。しかし、あくまでも三輪の神様は三輪山の頂上におられることを忘れてはなりません。
三輪山の中は古来、禁足地として入るこが許されませんでした。神の山だけに、”立ち入るべからず”だったんですね。
ところが今では、狭井神社の受付で入山料をお支払いして、三輪山に登ることができます。
三輪山登山は登拝とも呼ばれ、信者の方々のみならず、数多くの参拝客が三輪山登山に挑戦しています。
三輪山の標高は467mです。
そんなに高い山ではありませんが、長い歴史に渡り木の伐採が禁じられてきたこともあって、鬱蒼とした原始の森が広がっています。
所々に急勾配の危険な場所もあるようです。
敬虔な信者の方の中には、靴を脱いで裸足で登拝される方もいらっしゃるようです。
参道に立てられていた三輪明神の幟(のぼり)。
拝殿の奥にある三ツ鳥居は、未だに謎の多い鳥居です。
三つの鳥居が横一列に並ぶ不思議な形をしています。
大神神社の摂社”桧原神社”にも三ツ鳥居があります。桧原神社は元伊勢とも呼ばれ、天照大神が祀られていた場所とされます。
大神神社から山の辺の道を通って平等寺へ向かう途中・・・”日向神社”という立看板を見つけました。
民家の裏手の方にある小さな社でしたが、日向(ひむかい)神社という名前から太陽神が祀られているものと思われます。そういえば、三輪の神は太陽神でもあるというお話を聞いたことがあります。
箸墓古墳の記事の中で、北緯34度32分の「太陽の道」をご案内致しました。
伊勢から淡路に至る200kmの東西線上に、不思議と数多くの古墳や遺跡が散在しています。
太陽神と伊勢神宮〜三輪山〜大神神社・・・古代のミステリーはどこかでつながっているような気が致します。
スピリチュアルブームの中、パワースポットとして人気の高まる大神神社。奈良旅行の際には、是非とも足を向けてみたい神社のひとつです。